紫苑をいける
今日のお稽古では、紫苑(しおん)を使ったいけばなを練習しました。
いけばなは「華道」と言われるとおりで、その道にゴールがありません。
同じ形の植物は二つとありませんので、いつも新鮮な気持ちで向き合えます。
紫苑は、キク科の植物で、8月終わりから9月に薄紫色の花をつけるのですが、
花材として出回る期間が限られていることから、貴重な機会です。
お稽古では、季節を先どって練習を行うことから、薄紫色の花はまだつぼみ。
存在感があってカサカサした手触りの葉が、格好よくうねっています。
黄色の小菊の花も咲いたら、とても彩り豊かないけばなになります。
花の開花が楽しみです。
切花は生きている
とても当たり前のことですが、生花の魅力の一つは、つぼみだった花が開き、
彩り鮮やかに周囲を染めたかと思えば、しばらくすると花びらが落ち、
弱り、枯れていくという生命の循環が見られる点にあります。
生きているものは、いつかは生命が尽きる、
そんな単純だけれど忘れがちなことを、
その死を通して可視化してくれるのです。
生命の尊さや時間が流れていることを自覚するだけで、
日々の過ごし方が変わるような気がしませんか?
いけばなのお稽古では、つぼみの花を扱うことも多いので、
完成した作品を写真撮影しても、なんだか分かりにくい…と
いうことがあるかもしれません。
しかし、それもまた植物の姿ですし、そのつぼみが咲くのを楽しむという
もっとも贅沢な時間を楽しむことができます。
今、我が家では、一昨日飾ったススキが開花して、
ふわっふわの尾花に変身した姿を楽しんでいます。秋はもう目の前。