師走に入り、年末年始を少しずつ意識し始める時期になりました。皆さんは、年賀はがきをもう用意しましたか。郵便局などで販売している2023年用年賀はがきの中にも、縁起のよい植物が用いられていますので、ご紹介しましょう。

<絵入り[寄付金付]全国版>

 筆者が毎年購入しているのは、こちら。1枚につき5円の寄付金が付き、販売価格が5円増しとなりますが、通信面にカラーで絵柄が印刷されており、加刷はがきとしてみれば少しお得なはがきです。なにより新年早々、社会貢献が簡単にできるので、気に入っています。

 2023年用のデザインをみてみると、通信面と宛名面の切手部分には、赤い実の「南天」が配置されています。南天(なんてん)は、中国原産のメギ科の常緑低木で、冬になると緑色の葉と小さな赤い実の対比がとても美しい植物です。庭木やいけばなの花材に用いられるほか、のどあめや解熱剤などの効能でも有名です。ナンテンという音の響きが「難転」ひいては「難を転じて福をもたらす」といった言葉と結びつき、古くから縁起物としてお正月飾りやお正月花としても用いられています。

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全国の郵便局等で販売。1枚68円

 また、通信面の背景の模様には、竹で編まれたような六芒星の籠目(かごめ)模様が配されています。籠目模様は、悪いものや邪なものを払う力があるとされ、魔除けの効能のある和柄として人気があります。

 続いて、宛名面の消印部分には、松竹梅。冬の厳しい寒さのなかにおいても立派に生えることから、めでたいものの象徴ともいわれています。

 さらに、お年玉くじ番号の真ん中の部分に描かれているのは「万年青」です。万年青(おもと)は、常緑多年草で、葉の縞文様が美しく、鉢植えとしても大変人気の高い植物です。文字どおり、青々とした艶やかな葉が年中楽しめ、いけばなの花材として使用すれば、赤い実と緑の葉が数か月間も元気な姿でありつづける脅威の生命力を見ることもできます。多くの流派にとって、万年青は縁起のよい特別な花材として、特殊ないけかたをもつ花材です。

 どうでしたか。こんな小さなはがき用紙の中に、めいっぱいの縁起物が詰め込まれています。年賀状を書くのは正直大変ですが、本当に出したい相手だけに…と割り切れば、少し気持ちが楽になるでしょうか。12月25日ごろまでにポストへ投函すると、元日に届けられます。