このところ、暑すぎたり寒すぎたりして、不安定な気候が続いています。この時期、こんなだったっけ? もやもやしっぱなしですが、初夏を思わせるホザキナナカマドの枝を使って、さわやかな夏の到来を密かに待ちます。

 ホザキナナカマドは、バラ科の落葉低木で、庭木としても使われている木です。漢字では、「穂咲七竈」と書き、暑い頃に咲く穂状の真っ白な花が涼しげで美しい植物です。いけばなは、季節を先どる花材を使うので、初夏を思いながらつくります。
 朱色の花はダリアです。初夏から秋にかけて咲く花で、品種改良により、さまざまな花色がありますが、この朱色は元気がもらえてきれいです。
 そして、ギボウシ。色や柄、花のサイズなど非常に多彩な園芸品種があり、国内には愛好家もいるほど人気があります。この力強く縦に入った葉脈が素敵です。

ホザキナナカマド、ダリア、ギボウシ

 生花は、形がバラバラで毎回異なる難しさがありますが、見る人はもちろん、いけ手をも元気にしてくれるのでやっぱり好きです。