12月13日は、「正月事始め(しょうがつことはじめ)」といい、お正月の準備を始める日とされています。門松に使う松やお節料理に使う食材、薪などを山へ伐採しに行ったり、「すす払い」といわれる大掃除を始めたりして、年神様をお迎えする準備をします。特に、新年の幸福をもたらしてくれる年神様は、植物と深いつながりがありますのでご紹介します。

お正月飾り

 お正月飾りは、お正月に年神様を家へ迎え入れるために設置します。12月13日の正月事始めから飾り始めるものとされていますが、クリスマスツリーや装飾をするご家庭では、やはりそれを楽しみたいですね。12月26日から28日にするのが、現代では一般的かもしれませんし、もちろんそれもOKです。ちなみに、12月29日(2(二重)9(苦))、12月30日と31日(一夜飾りとなり、年神様に失礼)は、避けるべき日とも考えられています。

・門松

 古来、緑色の葉が冬になっても落ちない常緑樹は、神様の宿る特別な木であると人々から考えられてきました。幸せをもたらす年神様が天から木をつたって降りてくると信じられており、家に年神様を招き入れるための目印として飾ります。

・しめ飾り/しめ縄

 年神様の入る神聖な場所として玄関や床の間などに飾ります。一説には、門まできた年神さまに、家の中まで入ってきていただくためともいわれています。結界をつくることで、不浄なものが入ってこないよう魔除けの役割もあります。稲(稲わら)は年神様の象徴であり、五穀豊穣を祈願します。

・鏡餅

 年神様の居場所となり、お供え物として置きます。

・正月花

 松竹梅や南天、水仙などを使ったいけばな(アレンジメント)で、家の中に飾ります。


 なお、江戸時代以前は12月8日が正月事始めの日とされていたことから、現在でも一部の地域では12月8日を正月事始めとするところがあります。

 私はいけばなを始めてから、お正月花が毎年とても楽しみです。お稽古の締めくくりとしており、一年の終わりを実感します。今年は12月26日にいける予定ですが、花材はお正月が終わるまで、きれいな形の保てるものを選びます。生命力にあふれ、色鮮やかなお正月の植物を目の前にすると、もう本当に明るい気持ちになります。

 また、今年はしめ飾りをいくつか作り、知人にプレゼントしました。しめ縄に、その人に合わせた縁起物を施しましたが、どんな縁起がよいかなど、選ぶ楽しさは格別です。来年もよい年になりますように…そんな願いを込めて、古来から人は、忙しくも楽しみながらお正月の準備をしてきたのだと実感しました。

干支のうさぎをモチーフにしたしめ飾り。
軽やかな飛躍も祈念しています。